山離れの流れ

那須岳で起こった雪崩の事故。最悪の結果になってしまった。ニュースなどでも大きく報道され、このところ登山全般に対する批判めいた意見が聞かれる様になっている。そして長年山に親しんできた人たちの「山離れ」現象が起こっているという。とても残念なことだ。

今回の事故は指導者が吹雪の中、雪崩が多発していて地元の人ですら近寄らない斜面を登ったことが原因で起こったらしい。なぜこんなことをしたのか、理解に苦しむ。指導者は多くの生徒さんたちの命を預かる立場だろう。

このような「特殊」な事故の為に、あたかも登山者全員が無謀なことをしているように言われるのは、お門違いである。ほとんどの登山者が遭難しないのは、単に運が良いからではなく、危険に遭わないための対策を取っているからだ。それらを完全に怠っていて起こった事故と、普通の事故を比較することはできないのではないか?

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冬山は確かに危険である。雪崩はもちろん、気象遭難、滑落、転落などの危険が他の季節に比べて、格段に大きいのは事実だからだ。今回の事件は、冬山の持つ恐ろしさを十分に世間に知らしめたであろう。

「なぜ冬に山に登るのか」ということを、登山をしたことのない人たちに説明することは難しい。

いくつか理由がある。まず第一が運動しやすいからだ。冬は気温が低いので、夏場の登山のように汗をかかない。そして虫がいない。

景色が綺麗だ、と言っても良いならそうだが、景色については、他の季節でも美しい時期は美しいので、部分的には当たっている。しかしそれが主な理由ではない。

やはり一番の理由は「道無き道を、GPS頼りに歩けるから」かもしれない。

夏場はコースが決まっており、面白くない。雪の上は自分でコースを見つけなければならない。その楽しさがある。

もちろんルートを見つけるには「天候が良いこと」「そのコースが危険でないこと」が必要だ。これを間違えると命取りになる。低山でも、高山でも、この点は同じである。

那須の雪崩事故では、この2点が無視されてしまった。くやんでもくやみきれないことである。

登山は「危険と隣り合わせ」であることは否定できない。だからこそ、十分に準備し、調査しなければならない。そして臆病すぎるぐらいの気持ちで山に臨むのだ。しかしそれですら、事故を起こす可能性を100%排除することはできない。山は恐ろしい、ということを決して忘れないようにして、これからも登山を続けよう。

人間は自然に勝つことは絶対にできない。これだけは忘れてはならない。

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