冬山で聞く声

冬山で「もう来るな」という声を聞いたというお医者様

矢作直樹さんは学生の頃、単独冬山に熱中し、2回ほど事故を起こされたそうだ。その時「もう山に来るな」という声を聞いて、それきり登山をやめたという。

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私は冬山で声を聞いたことはない。しかし極度の疲労の中、春山であったが、古い木の中に入って行く黒い影を見たことがある。白山山系のとある山だった。

雪渓を下降中、ルートを見失い、スマホのGPSを使ってやっと復帰した直後だったと記憶している。

あの頃は、まだ登山をはじめたばかりで、アイゼンも付けずに急な雪渓を上り下りしている状態だった。山の本当の危険を知らない状態だった。

仮に滑落していたら、その近辺では名の知られた急なゴルジュに落ちていた。本当に危なかった。

山でルートを見失うと、極度に緊張する。あたりまえだ。もし道が見つからなければ、山を彷徨うしかない。水もない、食べ物もないのだ。

単独行の場合、少しのミスもゆるされない。少しでも危険を察知したら、すぐに逃げる。それが鉄則。決して状況と戦ってはいけない。

しかしながらどんなに逃げても、精神の動揺は収まらない。ルートファインディングのために、体力を多く使っている上に、心はパニック状態。「落ち着くんだ」と自分に言い聞かせても、やはり心臓がバクバクするぐらい。やっと道に戻り、一安心すると、どっと疲れが来る。

その時、見たのだ。大きな黒い人物が、古い木の中に入って行くのを。

今でもその光景は、鮮明に思い出すことができる。あれは何だったのだろうか?

 

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カテゴリー: エッセイ, 安全 パーマリンク

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